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 私の夫は小手川哲二といいます。童顔に似合わず、間違ったことが嫌いな熱血漢です。

 私のホームページを見て、「何かぼくに手伝えることがあれば言ってほしい」と、何度も催促されていました。

 それで、ふたりであれこれ考えて、思いついたのがこの「ある日の会話」です。私たち夫婦は、何かにつけよくディスカッションするので、それをそのまま文章にしました。

 夫婦の会話の内容だけでなく、議員としての私と、それを支えてくれている家族の「形」をみなさんに伝えることができれば、こんな嬉しいことはありません。
  
第4回 総選挙終盤戦
哲 二 ずいぶん、やけたねぇ、腕なんか、真っ黒!
めぐみ うん、街頭演説がんばったからね。公示日以降は候補者カーと政党カー以外は街頭からの訴えはできないでしょう。政策を知ってもらうのは、公示日前しかないって、はりきったの。
哲 二 日本の公職選挙法はどうかしてるね。ホントなら、選挙に関心がでてきたときこそ、政策を広範な人に聞いてもらうことが必要なのにね。ところで、反応はどう?
めぐみ 一区の河野ひろこ候補と一緒の時は、「あなたのことを、友達からたのまれたから、どんな人かなと思って会いに来た」ってタクシーの運転手さんが声をかけてくれたり、「私は野津原出身だから応援する」って言ってくれたり、激励がとても多かったよ。
哲 二 彼女は、野津原の町議としてがんばってたからなあ。
めぐみ そう。議員バッチはなくても頼りにされてるものね。合併後は、彼女を通して地域の要求が私たちのところに持ち込まれているし。
哲 二 ところで、郵政民営化のことはどんな反応?
めぐみ ホームページの日記に書いたんだけど、「郵政事業の民営化は、国民にとっては百害あって一利なし」って訴えると、びっくりする人が多いのよ
哲 二 そうだろうなあ、『公務員を減らしなさい。何で郵政事業だけは公務員でなければやれないんですか。おかしいでしょう!!』って小泉さんふりまいてるからなあ
めぐみ そればっかりだもんね。郵政事業は民営化しないと赤字が膨らんで、税金の無駄づかいになる。民営化しないと小さな政府が実現しないって。
哲 二 それが大ウソだからたちが悪いよ。確かに郵便局の職員は国家公務員だけれど、税金は1円も使われない。完全な独立採算だからね。しかも郵政事業は赤字どころか、大幅な黒字で、その利益の半分が国庫に納められる仕組みになっているんだ。民営化した場合の法人税収入より高額の収入だよ。これは政府自身が認めていることなんだ。
めぐみ 知らないんじゃなく、知ってて言うんだから本当に悪質ね。サービスもそう。民営化でサービスがよくなるどころか、現在の郵便局のサービスが維持されないことになるわ。
哲 二 この間、リストラで銀行は整理配合され、支店を「経費削減」で閉店させている。実際、6年で4000もの支店や出張所が廃止になっているんだ。すごい数だよ。近所の岩田町の出張所もいつの間にかなくなったしね。この結果、金融機関が郵便局しかない自治体は550にもなっている。(政府資料=2003年3月末現在)
この上、郵便局が民間銀行にかわったら、無医村ならぬ「無金融機関村」が続出することになるのは、誰でも想像がつくよ。
めぐみ 各種手数料も上がるでしょうね。今でさえ駐車場料金5500円払うのに、振り込みカードを使っても毎回210円の手数料だもの。土曜日曜にATMでお金を下ろすのだって105円も手数料がかかるし。(郵便局は無料)
競争相手の郵便局が民営化されたら、怖いものなしで手数料もっとはねあがりそうよ。民営化で喜ぶのは利用者ではなく、競争相手の銀行や生命保険会社なのよね。
哲 二 そうだね、つきあいのある銀行員が言ってたけど「手数料収入ばかりを気にしてる。本来の預金や貸し出し業務の本業で仕事をしたい」って。そうだろうなあ。
知ってるかい。郵便局はライフラインが断たれた震災時でも、職員を確保した上で、通帳や身分保障があれば現金20万円に限り支払う「非常払い」措置をとっているんだ。阪神・淡路大震災でも新潟中越地震でも利用者に喜ばれているよ。
めぐみ 営利主義でない、郵便局だからできることね。民間になればサービスがよくなるなんて、よくも言えたものだと思うわ。郵政の民営化は国民にとって「百害あって一利なし」と、一人でも多くの人に伝えないとね。
哲 二 それに、世界の流れは民営化でなく国営化に動いているんだ。たとえばニュージーランドはイギリスのサッチャーイズムの影響が大きく、医療も郵便局も大リストラをやったんだ。そのため、医療は国民の評判が悪くなり、郵便局も一度民営化したものを2002年に国民銀行として復活している。(詳しくは、月間保団連 明日の日本、こうなっていいのか紹介パンフ100円)
めぐみ 今度の選挙は「郵政民営化の是非を問う」選挙だって、自民党は大宣伝しているけど、目玉であるはずの郵政民営化だけでも、こんなウソやデタラメばかり。こんなものが「改革の本丸」というんだから、小泉内閣の「改革」の本質が透けて見えるよね。
哲 二 郵政民営化以外の分野では、目も当てられないほどに惨憺たるものだということだよ。国民の暮らしは悪くなる一方だし。こんなボロボロの郵政民営化でも、他の分野に目がいかないように、引きつけておかなければならないという、小泉さんのお家の事情があるのさ。
めぐみ 今度の選挙は、短期間だけどいろんな意味でやりがいがあるわ。暮らしや平和について語れば、政治信条を抜きにして話がはずむものね。何党を支持している人でも、暮らしや平和について大きな不安を抱えていることがわかるわ。政治を身近に感じあうことの大切さを教えられる気がする。
哲 二 本当に選挙は短期間で勝負が決まってしまうけど、お互いできることを精一杯やろう。
めぐみ 少しは応援してね、じゃあ今日の夕食の準備から。
第3回 障害者自立支援法廃案
哲 二 わかば園の廃園残念だったねえ。
めぐみ そうなのよ、財政問題といいながら子供たちの心を傷つける市政に悔しさと力不足を感じたわ。あなたが関わっている樫の木(身体障害者通所施設)も障害者自立支援法などで大変なことになっていたわね。
哲 二 そうなんだ、入所者や家族を高負担で押しつぶす大変な悪法だったんだ。郵政解散で今回は廃案となったが、次の国会にもすぐ出す準備をしているよ。
めぐみ これまでの所得に応じた負担をやめて、障害者に一律1割の負担を強いる法律でしょう。そうなると樫の木では、今のように毎日通えなく人が生まれるかな?
哲 二 たくさん出てくるよ。それに、今でも、施設運営が、措置費から支援費と変わり、財政状況も大変でギリギリの運営をしている。通う人が少なくなると次は職員の採用を減らしたりなど厳しくなるね
めぐみ そういう意味からも、今度の衆議院選挙で、この法案が浮上しないよう、息の根を止めなければならないと思うわ。
哲 二 小泉首相は郵政にイエスかノーかが争点だといっているけど、騙されちゃいけない。今回は小泉流「構造改革」との対決だよね。
めぐみ すぐに、大増税計画があり、年金は次々に改悪し、医療も次は高齢者医療制度の創設など弱いものいじめの「構造改革」よね。福祉の党と言いながら公明党は自民党を後押ししている。民主党は自民党より改悪のスピードを上げろと主張して、消費税の引き上げにも熱心だわ。
哲 二 これまで、障害者運動は、多くの先輩や家族の奮闘で制度が作られてきたんだよ。たとえば、障害者手帳の呼吸器障害は結核団体などの人々が症状を訴えたり、心臓障害も長いこと心臓病の子供守る会などのお母さん方が運動して手帳に書き加えることができたんだ。
めぐみ 私、思い出すんだけど、あなたは、14年〜15年前くらい前からかな、子どもがまだ、小さかった頃、「大分市に初めての身体障害者の授産施設をつくる会」をつくって、募金活動を一生懸命してたよねえ。
哲 二 うん、都町のスナックなんかに募金箱をおいてもらったり、バザーしたり、障害者と一緒に働く場所づくりに取り組んだなあ。それでできたのが「樫の木」だ。
めぐみ その後も、障害者家族が中心になって懸命にがんばってつくられた施設がだんだんと増えて、大分の障害者の社会参加が、ぐんと前に進んだ感じがしたわ。
全国どこでも障害者家族と関係者がこつこつ積み上げてきたものが一挙に崩されようとしているみたいで本当に腹が立つなあ。
哲 二 日記に書いてたけど大分の自立支援法反対の集会はすごかったな。
めぐみ 障害者や家族、関係者などの怒りを感じた。支援法ができたら重度障害者は生きていけない。やっと一歩社会に出ることができたのに、1割負担の導入はまた、障害者を家の中に閉じ込めることになる。問題だらけだからね。
哲 二 「小泉改革」の4年間は、弱い立場の人々の生活をおびやかす「改革」の連続だったことを多くの人に気づいてほしいな。障害者団体の中で、自民党の候補者の支援をずっとしてきた人たちも今度は共産党を選んでほしい。僕も選挙活動で声をかけれるところに話してみよう。
めぐみ 短期間で限られているけど、がんばりましょう。
第2回 終戦、被爆60周年のテレビ番組
哲 二 最近見たテレビで、すごく心に残っているものがあるんだ。NHK教育テレビの「日曜美術館」だよ。無言館の特集をやっていた。
めぐみ 今年は終戦、被爆60周年ということで、各放送局が力を入れた特別番組を組んでいるものね。良心的な番組が多いわ。
哲 二 そうなんだ。ひどい番組が多いから、こうした良心的な番組に出会うとほっとするよ。放送局や放送人の良心も健在なんだ、って。
めぐみ で、どんな内容だったの?
哲 二 無言館というのは、第二次世界大戦で戦没した、東京美術学校(現東京芸大)の画学生などの遺作を展示した美術館だったのは知ってるだろう?
めぐみ 知ってるわよ。だって私たち3年前の信州旅行で行く予定だったじゃない。時間的に無理で結局はいけなかったけど。
哲 二 ああ、そうだったね。番組は司会者が館長の窪島誠一郎さんや、ゲストの山田洋次映画監督にインタビューする形式で進められるんだ。
めぐみ 窪島誠一郎さんは知っているわ。作家で美術にも造詣が深くて、信濃デッサン館の館長もしている。山田監督はもちろん「寅さん」で有名だわ。
哲 二 そう。番組は展示された作品の鑑賞というより、これを描いた作者の人生にスポットを当てていく。どこで、どんな気持ちで描いていたかと。
めぐみ 作者はみんな若くして亡くなったのでしょう。戦争のせいで。さぞかし無念だったでしょうね。もっともっと描き続けたかったはずだもの。
哲 二 その通りだよ。絵に込められた思いや人生がぼくの胸に突き刺さってきた。戦争という、もっとも残酷な環境の中に、紛れもない彼らの青春があったんだ。
めぐみ やりきれないわね。でも遺った作品の中に彼らの人生を感じ、今をどう生きるのかと考える若い人たちが増えているのは嬉しいことだわ。
哲 二 来館する若い人もたくさんいる。戦争があと一、二年早く終わっていれば、この作者たちも死なずにすんだのにという山田監督の話が、いつまでも胸に残ったよ。
めぐみ 同じような番組にTBSの「ヒロシマ」の特集があったけど、あなたも見たよね。あの中では、広島と長崎の原爆投下は避けられたはずだという考え方が貫かれていたね。
哲 二 落とした側のアメリカの科学者、利用した人、戦争後の力関係を考えて動いた人々など、重層的で丁寧に取材されていた。力作だと思ったよ。
めぐみ 原爆を作った人の中にも原爆投下に反対する人がいたことがわかって、同じ人間としてうれしかったわ。
哲 二 イギリスのBBCとの共同制作なので、全世界で報道されることが期待されるね。靖国参拝に熱をあげる首相が、日本の代表のように捉えられたら、たえられないものなあ。
めぐみ そうね。日本では「9条の会」が広がり、平和と憲法を守るとりくみも党派を超えて60年安保以上の組織が全国各地にひろがっているんだって。
哲 二 でも、一方で、改憲する側も必死だよ。東条英機の孫がマスコミに登場して「侵略戦争ではなかった」と言ったりしているし。
めぐみ 「新しい教科書を作る会」の、中学・歴史、公民教科書の採択を迫る動きも地方では活発だものね。油断できないわ。
哲 二 改憲勢力も勉強しているよ。戦争大好きなんて決して言わない。それどころか憲法9条は必要だとさえ言っているんだ。現実にそぐわないのは9条の2項だから、この部分を削除するだけでいいと。
めぐみ 「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」という部分ね。
哲 二 その通り。理念でいくら戦争反対を唱えても、この2項の歯止めがなくなれば、戦争はやりたい放題になるんだ。国際貢献のための出兵、平和を守るための出兵というように。
めぐみ 「戦争反対」を唱えるのは、改憲勢力も一緒なのね。そういえば靖国神社参拝をくり返す国会議員は「平和を守るためにお参りしてきました」って必ず言うよね。
哲 二 それが、嘘でなく案外本心だったりするからたちが悪い。
「平和を守るために憲法を改正しよう」
「平和を守るために憲法改悪を許すまい」
と言う主張が、今、真っ向からぶつかっている。
めぐみ 「改憲」と「護憲」では手段は正反対なのに、「平和のため」という主張はどちらも同じなのね。だとしたら、「平和のため」という情緒的、道徳的な批判は意味をなさないわ。
哲 二 そうだとも。改憲派の主張の矛盾や誤りを、理論的にも実践的にも徹底的に明らかにしなければならないんだ。憲法改定という手段では平和は守られないとね。
めぐみ 改憲勢力以上の勉強をして、圧倒的多数の世論で憲法を守り抜かなければね。不戦の誓いは日本が戦後国際社会に復帰する際の国際公約。新生日本の出発点だものね。
 
第1回 「小泉人気の正体は?」
哲 二 小泉総理はついに衆議院を解散したね。まさかと思っていたけど、とうとうやっちゃった。
めぐみ 不信任されたと考えるなら、内閣総辞職すればいいのに、衆議院を解散するなんて、まったく筋が通らないわ。
哲 二 自らガリレオになぞらえて「それでも地球は回っている」なんて気取っていたけど、自民党の中でも浮いていたね。
めぐみ 自民党の中で浮いているのは分かるんだけど、世論調査での小泉総理自身の支持率は、かえって増えているの。気になるわ
哲 二 マスコミの一部ではいまだに「改革の本丸を守るための解散」という論調をくずしていないところもあるからなあ。抵抗勢力に対する闘いだと。
めぐみ そうそう、その演出だけで、これまで小泉内閣は生きのびてきたんだものね。改革勢力VS抵抗勢力の図式を作り出しながら。
哲 二 でも実際に行った「改革」とは、国民生活を破壊するものばかり。大企業からの政治献金や、利権の構造、天下りなど、必要な改革には何も手をつけない。
めぐみ かわりに住宅金融公庫を廃止したり、身近な信用金庫をたくさん潰したり、ただでさえ少ない国民生活に必要な経費ばかりけずってきたものね。
哲 二 その結果、大企業は空前の利益を上げ、庶民生活はどん底のままだ。景気は上向きという宣伝ばかりが目立つけど、生活実感とはかけはなれている。
めぐみ その強い閉塞感が、逆に小泉支持を生み出している気がする。強い総理が必要で、強い総理ならこの現状をきっと何とかしてくれる、ってね。
哲 二 ははは。小泉さんが「強い総理」とは笑っちゃうね。大企業には絶対服従、アメリカにも無条件の忠誠を誓って、自民党内でも妥協に次ぐ妥協……
めぐみ 私も小泉さんが確固たる信念を持っているなんて思わないわよ。それどころか、姑息で、卑怯で、そのくせ目先ばかりつくろっている人間だと思うわ。
哲 二 演出力だけは大したものだものな。国会答弁でもほとんどが官僚の作った原稿の棒読みなのに、テレビでは瞬間的な勇ましい場面ばかりを放送する。
めぐみ そこが問題なの。アメリカ、大企業、利権の構造……。強いものにはあきれるほど弱腰で、庶民や、生活弱者については冷酷で、滅法強い。
哲 二 その素顔を隠して、実体のない「正義の味方」ぶりだけを振りまいているんだ。これは悪質だね。
めぐみ だけど、今のところこの演出は成功しているわ。だいぶメッキがはげてきたけど ね。「強い」小泉さんを支持している人は今でも多い。
哲 二 ネコにいじめられているネズミが、自分たちの弱い立場から抜け出すために、ネコに助けを求めるような心理だね。悲しい話だ。
めぐみ ネコがどう猛になればなるほど、ネズミは不安でしかたがない。今度は自分が食べられる番かもしれないものね。だから、ますます強いネコにすがろうとする。これが小泉人気の正体というわけね。
哲 二 ネズミを喰っているネコも、ネズミの前では優しいふりをするよ。文字通り猫なで声だ。そして、強くて頼もしいポーズだけは忘れない。「ネズミさん、守ってあげるからこちらにおいで」ってね。
めぐみ だからネコに人気が集まるのね。食べられるだけなのに。背筋が寒くなるような話だわ。
哲 二 ひどいものだね。でも信頼関係に基づいた強固な人気では決してないよ。虚構の強さを演出することでやっと保たれている、弱々しい人気だね。
めぐみ 問題は、自分たちをいじめている正体は、実はネコなのだと、事実で知ることだわ。得体の知れない閉塞感じゃない。ネコの悪政が招いた結果だとね。
哲 二 本当にそうだね。小泉さんが宣伝上手なら、ぼくたちはそれ以上に宣伝上手にならなくてはね。こちらは事実を伝えればいいのだから、きっと勝つさ。
めぐみ 私たちもいつまでもネズミでいられないわ。
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